さて、ヨーロッパで大学院に通うことになった私ですが、これはエラスムス・ムンドゥスというEUが主宰しているプログラムのお陰です。
そもそも私がエラスムス・ムンドゥスの事を知ったのは、昔のルームメイトから。
彼女はカナダ人ですがフレンチカナディアン(ケベック州出身なので、母国語がフランス語)で、英語を学びにサンディエゴへ来ていた時に同じ家を借りて住んでいました。
彼女がカナダの大学に編入するに伴い引っ越し、一緒に住んでいたのは一年ほどでしたが、一生涯の友人と言って良いほど仲が良く、離れてからもずっと連絡を取り続けていました。
それから数年が過ぎ、彼女はスペインに住んでみたいという思いからスペインの大学院に進学したと聞かされました。留学生として行くには相当お金がかかるはず、費用はどの様に工面しているのか疑問に思い聞いてみると、Erasmus Mundusという機構から奨学金を貰えることになり、授業料も生活費も、更には旅費などもそれで賄えているということ。
更にそのErasmus Mundus、学期ごとに違う国に住むというシステムで、要するに大学院在学中にヨーロッパの国々を旅できるという素晴らしいプログラム。
その話を聞き、いずれヨーロッパに1、2年住んで旅をしてみたいと思っていた私はもちろんそのプログラムに興味を持ちます。私が大学を卒業したのは2021年、パンデミックのど真ん中ですが、自分が既にワクチンが終わっていたこともあり、これは応募者も少ないかもしれないし逆にチャンスだと思い応募しました。
一年につき一人3プログラムまで応募できるので、私はARCHMAT, SMACCs, BIM A+という3つのプログラムに応募しました。一番応募したかった建築保護のプログラムは、パンデミックの為この年は募集無し。募集があるプログラムの中から、できるだけ自分のやりたいことに近いプログラムを選びました。
要するに、どんなプログラムでも良いと思ったんです。まず受かるかも分からないわけだし、とりあえず申請手順を学ぶと言った意味で受けてみて、受かったなら無料で大学院に/ヨーロッパに行けるのだから、それはそれで行けば良いかと。(笑)
最終的には、3つ全てのプログラムに入学を許可されましたが、奨学金をオファーされたのはARCHMATだったので、このプログラムにしました。
さて、応募方法なのですが、大体どのプログラムも、多少の違いはあれど似た様な必要条件でした。一つ一つの書類をどうやって手に入れたか、ざっくり書いて行きたいと思います。
1. 申請書 Application Form
これはプログラムによって内容が違いましたが、主に自分の個人情報と学歴、学校外での活動、ボランティア歴など、履歴書の様な内容でした。それぞれのウェブサイトからダウンロードしたものを埋めて、他の書類と共にオンラインで提出。
2. モチベーションレター Motivation Letter
志願理由や自分のこれまでの経緯などを書きます。沢山書けば良いものではなく、文字数の制限が無ければ大体1、2ページに読みやすくまとめるのがポイントです。また、文法やスペルのミスはご法度で、ミステイクフリーの文書に仕上げることも大切。私はもともと書くのは得意で、割と出来栄えに自信があったのですが、それでも念のため大学のWriting Centerを利用して、大学院応募用エッセイのプロにエラーが無いか目を通してもらいました。自分のことを全く知らない人が読んでも伝わるのかという意味で、第三者に読んでもらうというのが大切だと思います。レターの書き方は、リクエストがあればまた後日記事を書きたいと思います。
3. 英語能力証明書 English Proficiency document
私はアメリカの大学に決められた年数以上(2年?)通っていたため、大学の卒業証書を提出するだけでした。留学経験がない場合は、おそらくTOEICなどの提出になると思います。英検を受け入れているプログラムもあるようでした。
4. 大学の卒業証書と成績証明書 College Diploma and Transcript
大学から取り寄せて、スキャンして提出しました。英語でない場合は、正式に翻訳してもらう必要があるようでした。申請当時はまだ大学在学中だったので、在学証明書も発行してもらいました。
5. 履歴書 Resume/Curriculum Vitae
これはあるプログラムがEuropassというウェブサイトを使用して作成するようにということだったため、統一して他のプログラムもこれで応募しました。無料で作成できます。内容を埋めるだけで履歴書が簡単に作成できるので、作成時色々サイトの不具合はあったものの、おすすめです。
6. 職業証明 Professional Experience/ Certificates
大学在学中にしていたインターンシップ先から証明を英語で出してもらい、提出しました。そもそも選考の時点で学業の成績と同じ程度職業経験が要されるようなので、こういう経験が本当に必要になってきます。
7. 推薦状 Letter of Recommendation
大体どのプログラムも二人からの推薦状を求められました。これは推薦状という名の通り、自分はなぜ推薦してもらうべき人物かという内容を2−3ページに渡って書いてもらいます。アカデミック又はプロフェッショナル(大学か勤め先)どちらに書いてもらっても良いという感じでしたが、一つアドバイスがあるとするなれば、大学の教授に書いてもらうのが恐らく一番良いということでしょうか。教授は常に学問に触れているのでしっかりとした文章能力があることが前提ですが、勤め先の方の文章能力はピンキリだと思います。また、アメリカの大学院だと三人分必要なのが普通なので、これに関しては少しハードルを低くしてある印象です。
8. パスポート Copy of Passport
9. 住居証明 Proof of Residency
カリフォルニア州発行の運転免許証を提出しました。日本の場合は戸籍と書いてあったような...
10. その他
他はプログラムによって大学の卒業論文、顔写真、Decralation (提出書類が全て偽りのないものだという事にサインをして提出する紙)、などを要求されました。
まとめると、身分証明、学歴証明、職業証明の3つに加えて、自分は今までの経験からどんなことに興味があり、今後どうしたいのか、なぜこのプログラムに参加したいのかという説明を添えて提出するような感じです。
私はアメリカ在住、大学もインターンシップも全てアメリカでやったので、当然提出書類も全て英語。そう言った意味ではだいぶ楽だったと言えます。日本で大学に行っていて、この書類を更に正式に英訳してもらわないといけないとなると、かなり大変で応募する気にもならなかったかも...そう言った意味では、アメリカの大学に行ったのも何かの縁だったのかもしれません。
申請に関してご質問などあれば、コメント欄からお気軽にどうぞ!
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